対象
プログラマーでない人
AIでない者
書いている人
Morijellyfish/もりくらげ
現在プログラマーをしています。
ミラパブではモノづくりやゲーム開発を主に教えています。
主体は誰か?誰の仕事か?
「AIがやりました」は無い
品質やコストは置いといて、現代においてAIはかなりの範囲のプログラムを出力できます。
しかし仕事でも趣味でも、何かあった時や販売したとき、誰かに使ってもらったときに
「AIが書いたのでわかりません」
等と言うのであればその人の価値は「代わりにAIを使った人」でしかなく、ほとんど価値がなくなります。
そんなものは能力でも仕事でもありません。
何かを作った以上、その責任は人間にあり、主体はAIではなくそれを使った人間です。
管理と確認の能力
AIが書いたプログラムが正しいものか、問題ないかを確認するのは最終的には人間の仕事です。
また、より綺麗な実装、効率的な実装を見つけ、現状の内容を修正するのも人間の仕事です。
「どこまで考慮する必要があるのか」「何を求められているのか」等を判断する仕事は、より重要になります。
そのためには、解決するためのコードを理解できる必要があります。
書かれたコードを理解できなければ、間違いや問題を認識できません。
実装を確認し適切なプログラムを書くためにも、プログラマーはまだ仕事があります。
わざわざAIを使わない事
例えば”hello”というテキストがあったとして、これを"Hello"に書き直すとします。
このときAIに
「このファイルのhelloをHelloに書き直して」
と指示を出し、読み込み時間を待つよりも、
'h'を消して'H'を入力するほうが圧倒的に早く、安く済みます。
上で挙げたものは極端な例ですが、少しのコード変更や簡単なものならAIに指示を出すより自分の手を動かしたほうが安く、早く済みます。
AIはあくまで道具の一つですし、1+1の答えを知るために計算機を取り出すのはコストがかかりすぎています。
仮に賢いAIが出てきたら?
プログラマーの仕事以外も無くなる
本当にプログラマーの仕事が無くなるくらい賢いAIが登場したとしましょう。
この場合そのAIは「プログラムを書くAI」です。
つまり、新しいAIやアプリケーションを自動で開発できる存在になります。
そうなると例えば
- 自動運転AI
- 工場作業AI
- 事務作業AI
等がそのAIによって次々に作られることになります。
つまり、プログラマーを代替できるAIは、ほかの仕事を代替するAIを開発できるAIということです。
そのため、もしプログラマーの仕事が無くなるほどのAIが登場すれば、プログラマーだけでなく、他の職業も同時に仕事が無くなるでしょう。
何の仕事なら無くならない?
たいていの仕事が無くなる中で
「人間であること」「機械より安いこと」は失われないと考えています。ですのでそれを使った仕事はなくならないでしょう。
まず一つ目。責任の主体としての人間の価値です。
AIは知能を代替できますが、社会的な責任の主体として人間が求められるでしょう。
仮に店の従業員がすべてAIとロボットに置き換わっても、店の責任者だけは代替することが難しいと考えています。
ロボットを逮捕して何になるでしょうか。
二つ目。人間の身体そのものとしての価値です。
人同士が直接関わることに価値がある分野や、人間との接触そのものが求められる分野では、機械では代替できない需要が残ると考えています。
技術的に実現可能になったとしても、「人間が良い」と考える人がいる限り、人間によるサービスは残るでしょう。
三つ目。安く優秀なセンサー群としての価値です。
広い視野、器用な手足、味覚や嗅覚、バランス感覚等、これらを機械で実現しようとすると、コストが非常に高くなるでしょう。そのため、火災現場や危険な場所での作業等では、高価なロボットを投入するよりも人間が対応する方が現実的になります。
特に機材の損傷や交換コストを考慮すると、人間の柔軟性やコスト面での優位性が残る場面は今後もあるでしょう。
ロボットは作る手間がありますが、人間は完成済みのものが来ますから。
まとめ
AIは非常に強力な道具になり、今後もできることは増えていくでしょう。
プログラマーの仕事の一部は確実に変わり、減る部分もあると思います。
しかし主体として責任を持つのは人間であり、AIが出力した内容を理解し、判断し、修正する役割は残ります。
また、仮にプログラマーの仕事が無くなるほどのAIが登場した場合、それはほかの職業も同時に代替できるようになります。
その場合、プログラマーだけが特別に仕事を失うとは考えにくいでしょう。
そして最後に、人間であることそのものに価値がある仕事や、コスト面で人間が優位な仕事は残ります。
AIによって仕事は変わりますが、今すぐプログラマーの仕事が無くなるとは考えにくく、現実的にはまだハードルが高いでしょう。
ほぼ全ての仕事が無くなるその日まで、AIを使いこなし、責任をもって自らの頭で考え判断できる人の価値は、今後さらに高まります。
蛇足
Q: 俺はAI使えて優秀なんです
A: なんで同じ道具をこちらが使えないと思った?
Q: どこまで行けば仕事が無くなる?
A: 赤子が使っても天才が使っても同じレベルの品質になるか、人間が不要になるかのどちらか。
Q: AIに勝てないから勉強辞めます
A: 車に勝てないからと歩く事をやめ、計算機に勝てないからと四則演算もやめたら、最後何が残るのか考えておきましょう。