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最新の活動報告
【2025, 9/14, 4000人超の教育者が集う、未来の先生フォーラム出展のお知らせ】

この記事の概要
この度教育団体ミラパブは、例年4000人以上の参加者が集まるイベント「未来の先生フォーラム」にプログラムを提供する運びとなりました!
未来の先生フォーラムとは、情報科教員の方のみならず、文系教員の方や専科の教員の方、さらには企業関係者の方などが2日間集うイベントです。会場は新宿の「桜美林大学新宿キャンパス」であり、我々は9/14の日曜日、午前10:30~11:30の時間帯にて、情報系模擬授業を実施予定です。
未来の先生フォーラム公式サイトは、こちらをご参照ください:
そしてこの記事では、私たちが開催する模擬授業の詳しい概要をお伝えします。
純粋に外部人材の活用事例や活用方法を知りたい教員の方や、教員向けの研修における講師を探されている教育業者の方、そして登壇者の國武や森ー現役のプロの研究者とゲームプログラマの話を聞いてみたい方は、当日に備えてぜひこちらの記事をご覧ください。
開催背景~なぜ模擬授業を?
先ずは前置きとして、私たちが模擬授業を開催する事になった経緯をお伝えします。
私たちは「日本の公教育とプロフェッショナルを繋ぐ」ことを使命の一つとして、4年半以上活動してまいりました。
日本の教育は、外部人材の活用が殆ど進んでいないという問題を抱えています。文部科学省の方々は予てから外部人材活用を奨励しているものの、現場レベルでは活用事例ー前例の不足から全く進んでいない現状があるのです。これによって、外部の人材を呼ぶための予算がつかず、結果として民間の優秀な各分野のエキスパートを呼ぶことが出来ない現状が存在しているのです。
日本における教職員の方々は、現時点で極めて多忙な労働環境にて日々の教育活動を担われており、更なる教育の質向上の為の追加業務を教員の方々のみに任せてしまえば、多くの教員の方々が過労死してしまうのではないかと、私たちは危惧しています。
実際、文部科学省による教員勤務実態調査(令和4年度)では、公立小学校の約1.5割、公立中学校の約3割の教諭の1週間当たりの勤務時間が、いわゆる「過労死レベル」に達していることが示唆されました(厚生労働省が過労死の労災認定基準と定める「1か月当たり 80 時間を超える時間外労働」に相当する「1週間当たりの学内総勤務時間が 60 時間超」)。
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10年前に比べると、働き方改革などによって確かに教員の方一人一人の負担は減少傾向にあり、過労死レベルの激務に追われる人も公立小学校では約1.5割、公立中学校では約3割減少しました。これは喜ばしい事だと思いますが、他方で専門技能が必要な情報教育の更なる推進、競争激化に基づく探究学習の品質の更なる上昇などが叫ばれる昨今では、それらの追加業務を教員の方々に押し付けてしまえば、再びこの水準が戻ってしまうリスクは容易に考えられます。そうなると解決策の一つとして外部人材の活用が挙げられるのですが、そもそも学校側が謝礼を払えず、DXハイスクールの認定校ですら1時間当たり2500~5000円の金額しかお金を出すことが出来ない現状では、民間の優秀な情報分野等の外部人材を呼ぶことは不可能といえるでしょう。
この問題を打破すべく、私たちは各分野のエキスパート達が無償で学校の授業支援を行い、前例を作る活動を80回以上継続してまいりました。未来の先生フォーラムは、4000人以上の日本中の教育関係者の方々が集まる会と聞いております。そこで私たちミラパブは、未来の学校を先取りできる模擬授業を教育関係者の皆様に知っていただき、将来の教育現場での公民連携に希望を持ってもらうべく、私たちが普段開催している授業の模擬授業を催す運びとなったのです。
グラフ出典:
文部科学省初等中等教育局, 2024年4月, 「教員勤務実態調査(令和4年度)の集計(確定値)について」
登壇者紹介
今回のイベントにおいては、以下2名の当団体のメンター(スタッフ)が、模擬授業を催します!
國武悠人(ネットでの通称:すかねき)
慶応義塾大学有数の若手研究者。多数の査読付き論文をパブリッシュするほか、自治体や政府での活動も盛んに行っており、消費者庁令和6年度消費者支援功労者表彰(内閣府特命担当大臣表彰)を獲得したこともある。またVR文化を守るため、政府への政策提言などを精力的に行っているNPO法人「バーチャルライツ」の創立者でもある。そして情報系分野についてもエキスパートレベルの知見を持ち、過去には経済産業省後援のITのモノづくりコンテスト、未踏ジュニアにてスーパークリエイターに認定された事もあるなど、八面六臂の活躍を見せている。

森優貴(ネットでの通称:もりくらげ)
現役のゲームクリエータ。2019年に未踏ジュニアスーパークリエータに認定され、現在はゲーム開発チーム「NEKOLOGICAL」にてプログラマを担当している。

両者とも公立高校で2年以上に亘って授業開催、授業支援に携わってきた経験を持っており、
この2名がプログラミングの模擬授業を約1時間参加者の方に向け催します。
予定しているタイムスケジュール
9月14日当日の模擬授業のタイムスケジュールは、こちらの流れを予定しています。
10:30~10:35:オープニング~模擬授業の流れ説明
10:35~11:05:森を中心とした、ゲーム制作の模擬授業実践
11:05~11:20:國武を中心とした「公教育とプロフェッショナルを繋ぐ」ことの、政策的意義
11:20~11:30:ミラパブの紹介、質疑応答
以下に、それぞれのセクションを説明します。
オープニング~模擬授業の流れ説明:
模擬授業実施者の國武と森が、今日の模擬授業の内容と目的、大まかな流れを簡単に説明します。
森を中心とした、ゲーム制作の模擬授業実践:
現役のゲームクリエータであるもりくらげ(森優貴)が、高校2年生の普通科の生徒の方を想定した、ゲーム制作を通じたプログラミングの模擬授業を開催します。「ゲーム」という現代の若者の多くが興味を持つ話題を通じた情報科授業自体は珍しくはありませんが、授業実施者が本職のゲームクリエータである、という高校の授業は極めて稀です。単純な講義のみならず、現場を知る経験を元に、モノ作りの世界のリアルーいわば辛さと面白さ両方を紹介する見込みです!また、実現できるかは検討中なのですが、Formなどを使ったクイズの実施などを通じて、実際に参加者の皆様が手を動かせる軽いワークも入れてみようと考えています。当日は、ゲームクリエータによるゲーム制作の講義をお楽しみください。
國武を中心とした「公教育とプロフェッショナルを繋ぐ」ことの、政策的意義:
現役研究者の國武悠人が、前のセクションで披露された模擬授業の社会的な価値を、社会学研究者としての知見も踏まえて熱弁します。先述の通り、日本の公教育における教員の方々の負担軽減と授業の品質向上を両立させるためには、外部の人材が学校に入りやすい環境は重要なテーマです。この記事だけでは紹介しきれなかった外部の人材活用の意義について、実際に現場で情報系の授業をしたこともある実務家としての視点と、学術的・政策的な外部の人材の活用の価値を大局的に分析する研究者としての視点両方を踏まえて、丁寧に説明する予定です。
ミラパブの紹介、質疑応答:
最後に、ミラパブの簡単な紹介と、今回の模擬授業に関する質疑応答の時間をとります。
時間的には2~3名の方の質問にお答えできる見通しですので、今回の模擬授業に興味を持たれた方は、些細なことでもご質問いただけると幸いです。
そもそもミラパブって何?信用できる?
より詳しく私達について知りたい方向けに、そもそも一般社団法人ミラパブとはどんな団体なのかについても、最後に説明しようと思います。
ミラパブとは、ミラクルとパブリック、そしてミライを組み合わせた言葉です。
そんな名を持つ私たちは、学校を始めとした様々なパブリックな教育機関を中心に「公教育とプロフェッショナルを繋ぐ団体」として、ビジネスでは成立しえない新たな前例を生み出してまいりました。
具体的には、無償で公立高校に出向いて学校の授業支援をする活動を80回以上重ねたり、教員の方々が集まる学会に出向いてイベントを開催したり、またオンライン上で中高生向けのコミュニティを無償で運営したりと、非営利故にできる活動を幅広く展開してきました。
最も、単に学校に出向いて授業をすることや、コミュニティを運営すること自体は、どんな人でも実現できることです。我々が他の団体と違う点は、本来であれば学校に呼んだり、オンライン上で相談に乗ってもらうのに数万円かかるような各分野のエキスパートの方々(我々はメンターと呼んでいます)が、無償で中高生の支援を一貫して行う点です。

最近は人数が増えすぎて、一つの画像にまとめるのが大変になってきた次第である…
具体的には、3Dの立体ディスプレイを世界で最初に作られた元東芝研究者のYuzo(平山雄三)や、岸田前総理に表彰されたこともある研究者のすかねき(國武悠人)等、各界の大御所たち述べ15名が、それぞれの豊富な人生経験を元に登壇をしたり、中高生の相談に無料で取り組んだりしているのです。
より詳しいメンターの紹介を見たい方は、こちらのページをご参照ください!
ここまで記事を読み進めてくれた誠実な方であれば、おそらくこのタイミングで「無料でこんな人達が子供たちの教育の支援をするなんて、何か裏がありそうだ」と思われるかもしれません。特に、活動に必要となる経費である、お金の出所が怪しいと思われる方は少なくないかと思います。
しかしその疑念は、当団体に匿名の出資者がいることをお伝えすれば、晴れるのではないでしょうか。当団体は、先述のメンター達に完全に無償での活動協力をお願いしている訳ではありません。例えば、無償での授業開催に協力したメンターには、対価として一定額の謝礼金を支払うことで、無償労働とならないよう取り組んでいます。そしてお金の出所は、団体の代表理事「大畑将太」の知人にいる、とある老練の篤志家の出資です。

写真の左端にいるのが、代表理事の大畑将太。
元々この団体は4年前、当時高校生であった大畑(とその友人)が、自分なりの生き方が探しずらい日本の教育に問題意識を持って始まった組織です。お金もなく運営や協力者集めには苦心した立ち上げ初期でしたが、そんな若造の活躍にとある老練の篤志家は目を付けました。今後日本の教育において重要になってくるであろう、単なるキャリアではなく、精神的幸福の向上のための教育整備、そして外部機関と公的機関の教育連携の推進。この2つに尽力していた我々の将来性を見込んだその方が、活動の軍資金を毎年提供してくださっているのです。
非営利的な目的のために、完全無償で学校に、また中高生の方々に質の高い教育や、幸福の為の教育を提供する。そんなことは耳障りの良い夢物語かもしれません。しかし、その夢物語を実現するための豊富な資金と精鋭たちを、我々は手にし、また活用しているのです。
終わりに
最後に、気になる模擬授業の参加方法をお伝えします。
9月14日に開催される模擬授業には、未来の先生フォーラムへの参加申し込みをしていただく事で、教員でない方も参加していただけます!

こちらの画像にもある通り、教員の方は無料で参加でき、それ以外の方や先生コネクトへの会員登録を避けたい教員の方は3000円で、申し込みができるようです。そして私たちは9月14日に、桜美林大学新宿キャンパス2階2のJ204教室にて、模擬授業を開く見通しとなっています。
現場の負担が増す一方で、時代からはより高品質な教育を求められるこの時代。予算がつかない、前例がない…そんな理由で、民間のエキスパートの人を学校に招きたいのに招けない事態に直面したことのある方、或いはプログラミング等の分野で自分では手に負えないほどのクオリティの授業を文科省やPTAの方から求められて、専門の人を呼びたくなった教員の方、そして教育の未来に希望を持ちたい教員の方は、ぜひ10:30~11:30に2階のJ204教室で開催される、ミラパブの未来を一足先に体感できる模擬授業にお越しください!
この記事を最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。
それでは14日、桜美林大学新宿キャンパスにてお会いしましょう!
ミラパブ運営スタッフ ideal編纂