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最新の活動報告

1ヶ月で文化祭のゲームを作る!愛知県立緑丘高等学校における、シューティングゲーム制作支援の報告

記事の概要

2025年の9月、私たちミラパブは愛知県立緑丘高等学校にて、ある高校1年生のクラスの文化祭の出し物づくりの支援活動を完全無償で行いました。

対象となった方は高校1年生の1クラス(40名)であり、文化祭の出し物でトロッコに載ってのシューティングゲームを作ろうとしているクラスのゲーム制作の支援を行いました。 同校の文化祭は9月26日にあり、支援は、9月の初旬ごろから始まりました。

今回の報告においてお伝えしたい点は、僅か約1ヶ月で、Wiiリモコンと連動したトロッコに乗りながらのシューティングゲームという、比較的技能が必要なゲームの作成を殆ど一から支援した点です。9月初旬当初は40人の内2人ほどしかゲーム制作にかかわる生徒の方がおらず厳しい状況でしたが、私たちの支援もあってゲームを当日の出し物として十分な品質へと仕上げ、結果集客数200名超の行列の絶えないアトラクションになるという、同校においても最高レベルの人気の出し物が催せました。

この記事では、そんな短期間での支援の詳細を具体的に記載します。単発で私たちを呼んでみたい中高の先生は、ぜひこの記事をご覧ください。


講師メンターの紹介

先ずは今回の授業を担当する事になったミラパブメンターのもりくらげさんについて、こちらで紹介いたします。

イベント「未来の先生フォーラム」にて模擬授業を執り行うもりくらげ(画像左)

もりくらげとは…
現役のゲームプログラマー。2019年に未踏ジュニアスーパークリエータに認定され、現在はゲーム開発チーム「NEKOLOGICAL」にてプログラマを担当している。訪問授業の経験は40回以上であり、学校現場の実態にも精通している。

もりくらげのネット上での活動アイコン。


スタッフを増やす!動画での支援活動

動画の一部抜粋その1。

相談をいただいてから、期間の締め切りまで約1ヶ月。この状況下で文化祭を成功に導くお手伝いをするために取りうる最適な選択肢として、私たちはより多くの生徒の方が、制作スタッフになれる土台をつくる事を選びました。

具体的には、もりくらげさんが初歩的なゲーム制作の説明動画を2本作成し、これを先生に頼んでホームルームの時間にて放送していただく事にしました。狙いは、ゲーム制作に全く触ったことのない人でも、イラストや音楽、ステージの制作といった、プログラミングを必要としない領域に参加できることを伝え、出し物の核となるゲーム制作の協力者を増やす事でした。

動画の一部抜粋その2。



最初は、基本的なシューティングのコードが完成していなかったこともあり、もともと意欲のある二人の生徒の方に技術の指導を行う事を考えましたが、それ以上にステージや絵といったマンパワーが必要な素材も不足していることを考慮して、ここは40人のクラスの中で制作に関わってくれる人を1/4まで引き上げる事を目標にすべきではないか、と考えるに至りました。


またこの動画に加え、GitHub(プログラムのソースコードを、オンライン上で共有・管理できるサイト)でもりくらげさんにいつでも技術の相談ができる体制を設け、トラブル発生時には直ぐに本職のゲームプログラマーに質問できる場を整えました。

動画の一部抜粋その3。

当日の結果と先生の声

それら支援の結果、音響班、イラスト班も誕生し、ゲーム制作に直接かかわる生徒は合計6名となりました。クラスの1/4である10名には届かなかったものの、動画の効果で文化祭自体への生徒のモチベーションも向上したとの先生からのご報告もあり、総合的な出し物の製作が順調に進むようになったようです。


そして迎えた文化祭当日、生徒の方々を待ち受けたのは、保護者、教員の方等も含む、200名を超えるお客さん達の行列でした。

ゲームのプレイ画面の一部。少しわかりづらいが、机の上に赤外線センサーが置かれていて、それにリモコンを向ける事で赤い玉を打てる仕組みとなっている。

支援開始前の事前ミーティングにおいて、実は私たちは今回の支援は、先生だけが望んでいるもので、生徒たちがそれについてきているとは限らないのではないかと考えていました。勿論、依頼を頂けるのは私たちとして、より公教育に関われるという点で嬉しい事ではありますが、当初クラスの9割以上の生徒がそれに関心を持っていなかった状況を考えると、プロとしてどのようにお手伝いをするべきなのか、悩ましいところもあったためです。しかし、いざ支援をすると、僅か1月の時間のうちに高校生の方々の意欲に火が付いたようで、文化祭当日の出し物としては、「高校1年生でこんなすごいの作れるの!?」と驚かれるほどの大評判のアトラクションを作ることに成功しました。

以下に、担任の先生の声も一部抜粋させていただきます。

総評・改善点

文化祭当日の得点板。その日のお客さんの中でハイスコア更新を目指す事もできるので、何回遊んでも楽しめる出し物となった。

以上のようにして、先生と生徒の方、そして当日出し物を楽しまれたお客さん全ての方から好評をいただく形で、愛知県緑丘高校における文化祭の支援活動は終了しました。他方で、動員数こそ良かったもののゲームは完全には完成しなかったことや(Wiiリモコンとサーバーの接続が上手くいかないステージもあったようです)、GitHubはゲーム制作班の人数を増やすためなどには活かせたものの、その後の迅速な相談対応は上手く活かせなかったという反省点もありました。
もし今後も似た案件をお手伝いする機会に恵まれた場合は、GitHubを制作期間中も生徒の方にもより利用してもらうよう勧める事で、更に満足のいただけるドラマが生まれるお手伝いに尽力したいところです。

そして最後に、私たち一般社団法人ミラパブは情報や探究といった授業の支援活動のみならず、こちらの学校で行ったような授業外(文化祭等の催し物含む)での支援活動も、該当領域のエキスパート達が無償で支援して参ります。

これからも私たちは、無償での教育活動を通じ外部団体と公的機関の連携の鏑矢として、使命を果たしていく所存です。

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