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情報共通テストや生成AIの話題沸騰!2026年3月、東京都高等学校情報教育研究会の出展振り返り

記事の概要
2026年3月27日、私たちミラパブは東京都高等学校情報教育研究会主催の研究大会に、2度目の参加を果たしました!これは例年東京都中の教員の方々が参加される教育系のイベントであり、当日は年度末で学校が忙しい時期の中100名以上の教育関係者の方々が、会場がある新宿に集まりました。
実はこのイベントは、丁度一昨年の春にも参加したイベントでした。そのためこの記事では単なる出展内容の報告だけでなく、一昨年と比べての教員の方の関心の変化などについても、分かった範囲で記載しようと思います。現役教員の方は勿論、情報科のトレンドの変化や現場の教員の方々の動向を探りたい方も、ぜひこの記事をご覧ください。
*昨年の出展報告についての詳細を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
行程表
このイベントの行程表は、以下の通りでした。
10:00 ~ 10:40:開会挨拶
10:40 ~ 12:00:基調講演&専門委員会報告
12:00 ~ 13:30:企業団体展示の時間
13:10 ~ 14:30:教員の方の口頭での事例発表その1
14:30 ~ 15:10:教員の方のポスター発表&企業団体展示の時間
15:10 ~ 16:40:教員の方の口頭での事例発表その2
16:40 ~ 17:00:閉会挨拶
*太字の箇所が、私たちの団体が出展したセクションです。
以下に、それぞれのセクションを簡単に説明します。
開会挨拶:運営者の方々が、今回の会の概観を手短に語りました。
基調講演&専門委員会報告:東京都情報教育研究会の運営の教員の方や大学入試センターの方より、情報科目や共通テスト情報の現状等に関する講演がなされました。個人的には、大幅難化したといわれる共通テスト情報についてのお話は、興味を惹かれた次第です。
企業団体展示の時間:昼食休憩も兼ねて、講演ブースとは別にある企業の展示スペース(見本市のような場所)にて、各教育企業のPRを見に行けるセクションでした。
そして私たちはこの企業団体展示の枠にて、この度出展を果たしました。
教員の方の口頭での事例発表その1、その2:都内高校の教員の方々が、1年間の授業実戦で得た知見(主に情報科に関する内容)を発表したセクションです。我々の私見としては、ランサムウェアの歴史と現状についての授業実践のお話しは、大変面白い発表だったと感じました。
教員の方のポスター発表&企業団体展示の時間:次の口頭発表までの40分間、企業の展示に加えて、教員の方々の実践事例のポスター発表を眺められるセクションでした。
閉会挨拶:本イベントの主催者の方々が、今回の会の総評をなされました。
動画も活用せしミラパブの展示

先ず私たちの出展活動についてご紹介をすると、今回は来場された教育関係者の方向けの企業、外部団体展示のブースにて、合計2時間10分にわたる出展活動を行いました。今回の私たちの展示ブースの方針は「公教育とプロフェッショナルを無償で繋ぐ、授業支援活動の紹介」です。5年の活動経験を以て、私たちミラパブは東京都や神奈川県は勿論、京都や兵庫といった都心以外での授業支援も無償で行えるようになりました。全国進出も果たし信用を得つつある我々としては、外部の専門家を呼ぶための予算が様々な制約でつかない多くの教員の方々の一助になる組織であるという事を改めて東京都の教員の方に知っていただく事が、今回の展示の指針でありました。
展示においては、それぞれ課題研究と競技プログラミングに強いメンターの國武さんやけんちょんさんが出てくる紹介動画を活用した他、以前開催した横浜国際高等学校でのプログラミング授業の支援紹介パネルを展示するなど、私たちミラパブが得意とする総合、情報系の授業支援の事例を多面的に紹介した次第です。
國武悠人とは…
慶応義塾大学有数の若手研究者。多数の査読付き論文をパブリッシュするほか、自治体や政府での活動も盛んに行っており、消費者庁令和6年度消費者支援功労者表彰(内閣府特命担当大臣表彰)を獲得したこともある。またVR文化を守るため、政府への政策提言などを精力的に行っているNPO法人「バーチャルライツ」の創立者でもある。そして情報系分野についてもエキスパートレベルの知見を持ち、過去には経済産業省後援のITのモノづくりコンテスト、未踏ジュニアにてスーパークリエイターに認定された事もあるなど、八面六臂の活躍を見せている。
けんちょんとは…
「ITエンジニア本大賞2021 特別賞」を受賞した2万部突破のプログラミング学習本『アルゴリズムとデータ構造』の著者。 競技プログラミングに精通しているほか、雑誌「Software Design」にて「パズルで鍛えるアルゴリズム力」の連載を執筆していて、現在は株式会社モノグサに勤めている。
また今回の展示においては、以前横浜国際高等学校にて鎌田高徳先生のご助力の元開催したプログラミング系授業支援の紹介を行いました。この授業とは、一流エンジニアのけんちょんさん、uhanさんの2人が、生徒の方々に、プログラミングに親しみを持ってもらい、またプログラミングを通じた自分なりの生き方を見つけてもらうために開いた3日間の講習でした。

3日間のプログラミング講座を、著書もある技術者の方々2名が無償で支援した。
以上のような多彩な展示もあってか、当日は100名以上の教員の方からご興味を持っていただくことができ、パンフレット190枚を配布することが出来ました!一昨年が105枚の配布であったことを考えると、その約1.8倍の認知を得られたのではないかと考えています。
共通テスト情報の難化への関心と、更に集まった生成AIへの懸念

(写真撮影について、ご許可を頂くことができた)
次に一昨年と比べての教員の方の関心の変化についてもお伝えすると、今年は共通テスト情報についての話題が特に盛り上がったほか、生成AIについての話題も2年前に比べて増加傾向にある印象を受けました。
まず共通テスト情報については、基調講演でもテーマに取り上げられていましたし、ポスター発表においても今年の情報の問題分析を事例発表にされている教員の方が見受けられました。先生によって意見の相違はあれど、今年の得点率が例年に比べて大きく落ちているという所感は、全ての教員の方が共有しているイメージだった印象です。基調講演では大学入試センターの担当者の方がお話しされ、今年の共通テスト情報は、平時の探究的な授業実践でも役に立つ教材であり、ぜひ今後は共通テスト情報を単なる入試でなく授業の材料として積極的に取り入れてほしいというお話がありました。しかしこれは言い換えれば、いつもの授業にさえ共通テストの対策が浸食してくるということでもあり、受験特化型の勉強をする学生がより増えてしまうのではないかという懸念を持たれる先生方もいらっしゃいました。

第1問の得点率が約25%下がっていることは注目に値する。
今年の共通テスト情報については、後半の大問2~4が難しくなったと捉えている方が多いのですが、事例発表をしている先生の分析(添付写真のポスター)によると実は一番得点率が下がったのは大問1であり、思考力だけでなく知識力を問う問題が増えたための減少のようです。
受験勉強を日ごろからしている生徒の方が有利になる問題との事で、この変化を喜ばれる先生もいらっしゃれば、情報の時間が全てテスト対策の座学になって、楽しくコンピューターを触れたりモノづくりをしたりできる時間が減るのではないかと懸念されている教員の方もいらっしゃり、賛否両論でした。
いずれにしても、今後はより一層大学受験を前提にした授業設計が各校で進むと予想されるため、教員の皆さんはこれを踏まえた情報科目の計画が必要になるかもしれません。
また幾つかの口頭発表やポスター発表では生成AIについての話が主軸にあり、現場教員の方々の人工知能への注目が、良くも悪くも表出していた会だったと思います。2~3年前に比べてもこれに関する発表は増えた体感があり、現場の先生としてもやむを得ずこっそりAIを使っているという方が増えつつある印象を受けました。特に生徒の方の方での利用者の増加は著しく、レポートやスライドを自分で作れない生徒の方は明確に増えているという危機感を、我々が関わった教員の方々は持たれていました。余談ですが、私達ミラパブは他の教育系のイベントや大会にも合計7回の参加経験があり、どのイベントにおいてもやはり、生成AIへの危機感や期待が述べられていた印象が強かったです。一説にはこれ以上の劇的な進化はしないのではないかとも言われる生成AIですが、現時点でも既に学校で扱う内容の多くはAIに聞けば答えが返ってきてしまう状況でもあります。それを踏まえると、この技術は今後も教育業界を悩ませるのではないかと、私たちは予想しています。
総評:全国の学校とプロを繋ぐ、その序曲としての発表会

以上のようにして、2026年度の東京都高等学校情報教育研究会の研究大会は幕を閉じました。
全体の所感ですが、今年は例年以上に、ミラパブに親近感を持っていただけたと感じた会となりました。パンフレットを多くの方に受け取っていただけたこともそうですが、それ以上に会場内での授業実践の支援の相談を何件かいただけたことも、私たちの自信につながったところです。総じて、これまでの5年の活動経験もあって現場レベルでの経験に基づいた教員の皆さんへの寄り添いが意識できた出展になったのではないかと思います。
この度素晴らしい研究大会を催してくださった東京都高等学校情報教育研究会の運営の皆様、発表者の教員の皆さん、そして我々と共に出展をしてイベントを盛り上げた企業の方々には、改めて最大限の感謝を表します。そして今回の出展を燃料に、2026年度のミラパブは、より一層の公教育とプロフェッショナルを繋ぐ団体としての非営利の支援活動に邁進して参ります。
今後の活動に乞うご期待ください。
